土地探し
 わが町、北海道の東の東、根室支庁管内の中標津町。就職の縁で辿り着いた町だけれど、こんなに素晴らしい環境の町もなかなかないだろう。東京や札幌に定期便が飛ぶ飛行場があり、根室支庁の物流・交通の要衝として栄えると同時に、基幹産業が酪農であるこの町は、ただただ広がる広大な牧草地と、知床の山並がとても美しい、便利さと自然の調和する日本離れしている理想郷だ。人口は2万5千人弱にもかかわらず、デパートがあるなど人口の割に都会で、周辺に大都市のない町村では道内で唯一、町制施行から50年以上たった今まで、一度も人口が減った事が無いという非常に珍しい町だ。
 中標津に魅せられ、この町に自分の夢である「馬の杜」を創ろうと決めた。就職2年目の24歳の時、土地探しを始めた。中標津町でも特に気に入った「開陽」と「俣落」地区に絞り、仕事柄接点のある馬農家に土地は無いだろうかと相談してまわった。何年もかかる覚悟で始めた土地探しは、意外と早く解決した。わずか数カ月で離農跡地を紹介されたのだ。その場所は市街まで車で10分、空港まで車で5分、素晴らしい露天風呂のある養老牛温泉まで車で10分という、俣落地区にあった。交通上の立地は申し分なく、さらに自然環境の素晴らしい土地で、さらに小川まで流れているという、動物を飼うにはまたとない理想的な土地に巡りあえたのだ。
 その土地は、北にカラマツの防風林、東に牧草地、南に畑、西に川と雑木林に囲まれていた。舗装道路に接していて、集乳路線である事から除雪も朝一番に入るとの事で、何も問題が無いように思えた。ただその土地の値段がいくらになるのかその場では教えてもらえなかったので、何度もその土地へ足を運んで考えていた。結局、それほど高い値段なんてつけないという言葉を信じ、買う事を決断した。しかし、この土地を買って家を建てるまでには、法的に様々な制約があったのだった・・・。
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